谷口監督インタビューを読んで思ったこと

コードギアス映画化記念でおこなわれた谷口悟朗監督インタビューの内容が(ごく一部で)物議をかもしている。

 

www.animatetimes.com

ロボットジャンルでコードギアス以降、新規のヒット作が生まれていないことについて、「それについては、もう巨大ロボットが必要とされなくなってきているということでしょうね」とコメントしたためだ。

 

いやあ、確かにおっしゃる通り。今時の若者はクルマすら持ちたがらないし、巨大ロボットなんてリアリティがないと見抜いてしまう賢いお子様ばっかりで、メカもの全般に人気が低調なのは認めざるを得ない。しかし、SF者であり宇宙船やロボットにワクワクを感じるボンクラとしては素直に受け入れたくない。

 

過去を振り返ればマジンガーからガンダムマクロストランスフォーマーパトレイバーエヴァンゲリオンと数年おきに傑作やヒット作が生まれ、ロボットアニメが廃れることなく続いてきた。だが、2010年ごろ(グレンガランガンダム00マクロスFが終わったあたり)を境にロボットアニメのジャンルでは新しいヒット作が出ない状況が続いている。(個人的にはガルガンティアとかクロスアンジュとか面白い作品はあるんだけど)

 

でもその不調はどちらかというと大人向けの深夜アニメの問題であって、それもロボットアニメだけでなく深夜アニメ全般がここ数年、ブームになるような大ヒット作がでにくくなっているように思える。

 

深夜以外のアニメ・特撮に目を向ければ、谷口監督が除外したシンカリオンは好評につき2年目に突入だし、戦隊シリーズも毎年頑張っている。バンナムのIP別売上高を見れば、2018年のガンダムの売上は683億円。ハリウッドではパシフィックリムやトランスフォーマーの続編が作られている。ロボットでも新作でもないが、近いジャンルの作品としてはグリッドマンが昨年話題になったのも記憶に新しい。

 

何がいいたいかっていうと、ロボットアニメの需要はブームだった1980年代ほどはないにせよ、世界にも日本にも十分市場はあるし、潜在的な客はいるんじゃないんですか、ってこと。ガンダム好きな奴の多くはボトムズとかも好きなわけで、ガンプラしか買わないって人は少ないと思う。

 

あと、近年のロボットアニメを見ていると、ヴァルヴレイヴ、鉄血、マクロスΔ、フランキスのようにヒット作になりうるポテンシャルを持ちながら、作り手が下手を打った作品が多い印象だ。まあ昔より客もシビアだし作るの大変だろうとは思うんだが、(主に脚本が)妙に斜に構えたり、王道を避けて逆張りした挙げ句に番組コケてりゃ世話ないよねっていう。

 

そもそも需要があるネタしか作らないんなら、この業界、ハーレムとやおいと学園とファンタジー異世界以外いらないって話になりかねない。(そうなりかけている気もするが)それじゃああまりにもつまらんでしょ。

 

TVシリーズ5つで700話以上作って一時はもうネタ切れといわれていたスタートレックもJJエイブラムス版やディスカバリーが好調だったりするし、ロボットアニメも面白いものを作れば勝ち目はあると思うんだけどなあ。