スタートレック Mission Crate 第2回到着!
ルートクレート社とQMx社のコラボで送るスタートレックグッズの定期販売、ミッションクレートの第2回が届いた。あれ、確か隔月でお届けって書いたあったような気がするんだけど、随分間が空いた気がする(前回届いたのは3月です)。きっとクリンゴンの2カ月は地球の5カ月に相当するんだよ!
まずは外箱から、前回凝り過ぎたのか、今回はスタートレックのロゴが入ったごく普通の四角い箱。ついでに前回よりも小さくなった印象。
続いて開封後。箱の内側に惑星連邦のシンボルが印刷されるなど、相変わらず芸が細かい。
内容物一覧。商品点数そのものは前回(5点)より増えているが……。
おそらく今回の目玉商品、ウォーフのフィギュア。相変わらず特徴をとらえた良い出来。
クリンゴンのシンボルのバッジ。
スタートレック:ディスカバリーのラペルピン。スーツにつけてさりげなくトレッキーアピールってする奴はいないよな、多分。
ミラーユニバース(鏡像宇宙)のトリブル。黒毛で牙つけて邪悪な感じに……かわいくない(汗)。俺のピンキーを返せ。
員数合わせのオンラインゲームのコードとステッカー。
という感じで、宇宙船スキーにはやや物足りない印象。そんなにクリンゴン愛好家でもないしなー(クリンゴン艦は好きだけど)。 まー次回に期待、ということで。問題は次回がいつ来るか、だが。前回の内容だとオススメできたんだが、今回の内容だと正直それほど魅力を感じない。というかウォーフのフィギュアを単品で買ったほうが満足度は高いカモ。
スタートレック:ディスカバリー第2シーズン関連まとめ(2)
全国10万人のスタートレックファンのみなさんこんにちわー
さて、大好評のうちに幕を閉じた『スタートレック:ディスカバリー』第1シーズンですが、続きはどうなっとんじゃーという方のためにネットの情報をまとめてみました。なおストーリーのネタバレになるようなことは一切書いてありません。
(3月に書いた前回のまとめも見てね)
前回のまとめのあと、大きなトピックとしては、
1)第2シーズン撮影開始
2)CBSとバイアコムの法廷闘争
3)ショーランナー更迭(1年半ぶり2度目)
4)カーツマンがCBSと5年契約締結
というニュースがあった。
1)第2シーズン撮影開始
第2シーズン撮影開始は2018年4月16日に報じられた。ライカー役ジョナサン・フレイクスは第1シーズン第10話を監督したが、評判がよかったらしく(実際手堅い、安心して見られるエピソードだった)第2シーズンも複数エピソード監督する模様。あと、サルー役ダグ・ジョーンズの裸も見れるぞ(汗)
2)CBSとバイアコムの法廷闘争
この裁判はディスカバリーとは直接関係ないが、長期的に考えるとスタートレックユニバース全般を左右する大事になりかねない話なんで、今後の展開に注目したい。
実際、ニコラス・メイヤーが企画していたミニシリーズ(おそらくカーン絡み)はこの裁判のせいで流れちゃったわけだし。
Nick Meyer Offers Hints on Secretive STAR TREK Project | TrekCore Blog
3)ショーランナー更迭(1年半ぶり2度目)
ショーランナー(製作総指揮とかプロデューサーの肩書きを持つスタッフのうち、番組の現場を仕切る実質責任者のこと)更迭は作品のクオリティを左右する大きな問題だ。
A)ディスカバリーの基本的なストーリーとアイデアは、スタートレック:ヴォイジャーの脚本家だったブライアン・フラーが提案したもの。フラーは番組立ち上げ時のショーランナーだったが、2016年10月に降板。番組制作の遅れの責任をとらされたといわれている。
B)ショーランナーの後任は、フラーと長年協力して働いたグレッチェン・バーグ&アーロン・ハーバーツのコンビ。
C)そのグレッチェン・バーグ&アーロン・ハーバーツのコンビが今回(2018年6月)突然クビになった。今後はアレックス・カーツマンが直接仕切るという。シーズンの途中でプロデューサーがクビってよっぽどだぞ、おい。クビの理由としてはふたりがほかのスタッフ(脚本家たち)に暴言をはいたとか、制作費超過の責任をとらされた、などといわれている。
内幕は知らんので、以下は話半分で読んで欲しいのだけれど、一連の流れを見ていると、CBS(とカーツマン側)の新番組のアイデアは欲しいけれど、番組作りの実権は自分らで握りたい、という意思が見え隠れするように感じられる。
基本スタートレックのようなSFモノに限らず、どんな番組でもこだわりはじめるとキリがないし、その分どんどん時間と経費がふくらんでいく。だからどこかで妥協しなきゃならない。が、スタートレックの場合はそれがなかなか難しい。んでテレビ局としては、クオリティ至上主義の原作者とその息がかかった人たちを追い出して、今後はもっということを聞く人にしましょう、という流れになったんじゃね、と勘ぐってしまう(もちろん純粋に暴言とかのスキャンダルが主要因という可能性もあり。だが原作者追い出しは宇宙大作戦第3シーズンとか映画スタートレック2とか、過去にも実際にあったことだから下司な疑いが拭い切れない)
とりあえずふたりがクビになった時点で5話分は撮影が済んでいるらしいが、制作体制の変更でまた公開が遅れるのは想像に難くない。あるいは第2シーズンは最初の5話だけ先行で公開して、放送途中で小休止が入るかもしれない(第1シーズンも前半、後半で間が空いたように)
4)カーツマンがCBSと5年契約締結
これに関しては3番のニュースの直後に発表されたが、CBSテレビとアレックス・カーツマンが今後5年間、スタートレックTVシリーズを拡大し、制作を継続する契約にサインしたという。企画としては
・『新スタートレック』のリブート
・アニメーションシリーズ
・宇宙艦隊アカデミーもの
・カーンのミニシリーズ
などが噂されている。ディスカバリーの成功でCBSがようやく重い腰を上げた感じだが、Netflixとの関係や各シリーズの配信形態など、具体的にどうなるかは未知数。日本で見れるかどうかはさらに分からん。
ショーランナー更迭と前後して、製作総指揮の一員アキヴァ・ゴールズマンもディスカバリーを辞めたが、こちらはパトリック・スチュワート・プロジェクト(おそらく新スタートレックのリブート)に従事するとのこと。
なお第2シーズンの放送予定は相変わらず不明だが、7月に開催されるサンディエゴのコミコン、8月開催のラスベガスコンベンションなどのイベントで情報が小出しにされると思われ。
マーベル・ファクト・ファイルのレビューというか感想
今年2月に試験販売された「マーベル・ファクト・ファイル」の全国販売がはじまった。長年デアゴスティーニに貢いでいるオタクとしてはワクワクがとまらない。実は試験販売で8号まで購入済みだが、改めてこれがどんな本なのかを原典である英語版のレビュー記事をいくつか要約しつつ紹介してみたい(各セクションの紹介とか全何号とか総額いくらかみたいな話は公式サイトを見れば誰でもわかるので割愛させていただく、っていうかそんな内容のブログしか見つからなくて自分で書くことに)。
pissedoffgeek.comのレビュー
http://www.pissedoffgeek.com/2013/03/09/marvel-fact-files-review/
コミックファンなら、キャラクターを取り巻くストーリーが膨大な長さになりうることをご存知だろう。スパイダーマンのように何十年もシリーズが続く作品の場合、そのすべてを読破するのはかなり大変だ。そうしたキャラクターの概要やスタッフについて簡潔にまとめた情報があれば、もっと深く掘り下げて楽しむきっかけにもなる。マーベル・ファクト・ファイルはそんな用途にはうってつけだ。
今週発売された第1号はマーベルコミックのファンから見ても素晴らしい出来だ。読むべき内容はたっぷりあり、中にはあなたが知らなかったことも書かれているだろう。ファクト・ファイルにはマーベルの世界や作者、多くのキャラクターとストーリーについて、マーベルファン、特に新しいファンが楽しめる適度な分量の情報が掲載されている。ウルヴァリンの生い立ちの記事を読むのはとても楽しかった。もちろんウルヴァリンの人生のすべてのエピソードが記されているわけではないが、ウェポンX、シルバーフォックスのストーリー、そして折り込みページでは彼の強さと弱さが紹介されている。
thegeektwins.comのレビュー
マーベル・ファクト・ファイルは「究極のマーベル百科事典を作る」ことを目的とした週刊の分冊百科だ。もちろんネット上にもマーベルの情報はあふれている。しかしこれほどの規模のものは滅多にない。このシリーズはマーベルのコアなファンのために、マーベルのコアなファンによって執筆された。このマガジンは一大プロジェクトであり、大勢のスタッフが参加している。 マーベル・ファクト・ファイルはマーベルのファンには不可欠な資料であり、とてもお勧めできる。唯一の問題は、このマガジンを購入できるのがイギリスとアイルランドだけ、ということだ。すぐにアメリカでも発売されることを望んでいる。
編集者リチャード・リーのインタビュー
www.comicbookandmoviereviews.com
「マーベル・ファクト・ファイルの企画に際してはまず、各セクションに収録するキャラクターの膨大なリストの作成がおこなわれ、その後で各号に掲載する記事を決める会議がおこなわれた。6〜8名の編集者、デザイナーが会議室に集まり、知恵を絞った。そして恐ろしいほど巨大なスプレッドシートが完成した。そこにはすべての記事の一覧が並んでいるが、変更もできた。ライターや編集者は記事を作っている途中に新しいアイデアを思いつくこともあるからだ」
といった感じで英語圏の上位のレビューサイトではおおむね好評な感じだ。ここからは個人的に思ったことを書いていくと、マーベルの最大の魅力は人間味豊かな(欠点のある)キャラクターだと思う。それを掘り下げた解説書は日本でも出ているが、入手困難だったり、内容が薄かったりとどれもイマイチだった。 しかし今回のファクトファイルは全部集めれば6千ページ、かなりマイナーなキャラ(1号ではバンディット)までフォローされている。また、ウルヴァリンやキャプテン・アメリカのような重要キャラには何ページも割かれており、情報量もほかの本とは比較にならないほど多い。
1号ではウルヴァリンの記事が6ページ(折り込みをカウントすると8ページ)あり、生い立ちや過去の改造の経緯、シルバーフォックスとの悲恋が紹介されている。細かいネタだが、二次大戦中にキャプテン・アメリカと一緒にブラックウィドウを救ったなんて記述もあり、すんごい懐かしい。幼いナターシャに「おじさま」とか呼ばれてたっけ……と思いつつ、古いX-MENを掘り出して読み返す羽目に。
(マーヴルスーパーコミックスのX-MENの該当シーン。ナターシャのことを「プリンセス」と呼んでる小っ恥ずかしいおっさん)
それに基地やメカの図解など、ほかの本にはない興味深い内容も多い。バクスタービルの図解が日本語で見れる日が来るとは思わなかったし、X-マンションの間取りなんか昔のコミックや解説本を思い出して懐かしい気分だ。結論としては、マーベルファンなら楽しめるし、特に資料集とか副読本が好きな人間にはたまらん内容ではないかと。まあ上級者で英語バリバリできる人は無理に日本語のを買う必要はないかもだが、英語版よりは多分、紙質も良いと思われ。
お気に入り度(5段階):☆☆☆☆☆
ファンの希望と作り手の都合
よくネットで見かけるスタートレックファンの意見に、「新スタートレック」や「スタートレック:ヴォイジャー」のもっと未来の話が見たい、というものがある。個人的にはその意見に賛成したいが、同時にそう簡単には実現しないだろうな、とも思うので、その理由を書いておく。
ジーン・ロッデンベリーの死後、スタートレックシリーズ全体を統括する役割を引き継いだプロデューサー、リック・バーマンは「スタートレック:エンタープライズ」に関するインタビューで、新スタートレックのもっと未来の話を見たいというファンの要望に対して、「(時代をもっと未来にしたところで)宇宙服が薄く、滑らかになるだけだ」と語っている。
Rick Berman Talks 18 Years of Trek In Extensive Oral History – TrekMovie.com
この発言を自分なりに解釈すると、要するに新スタートレックやヴォイジャーの段階で未来を描くのは行き着くところまでいっているから、それ以上先に進めても大した違いは出せない、というある意味、敗北宣言的な印象すら感じてしまう。
実際、スタートレックシリーズは宇宙大作戦、新スタートレック、DS9、ヴォイジャーの4つのシリーズが終わった段階で、620話、120年分の歴史(中抜けあり)の蓄積があった。はっきりいってしまえば、よほどのトレッキーでもなければすべてのエピソードの内容や設定を把握するのは困難だ。また、それらを踏まえてさらに未来を想像するのも、SF小説専門の作家やデザイナーを連れて来ない限り、TV番組のスタッフだけではほとんど不可能だろう。
余談だが、新スタートレック、DS9あたりは過去作との整合性にもそれなりに注意が払われていた。しかしヴォイジャーの中盤以降、そうした細かい気配りはあまり見られなくなった(気配りがなくなったわけではなく、チェックに漏れたアラが目立つようになった)。おそらく、新スタートレック時代からプロデューサーを務めたマイケル・ピラー、ジェリ・テイラーらベテランが抜け、ブラノン・ブラガがショーランナーに昇進したこと、セブン・オブ・ナインの登場で視聴率が盛り返したことなどと無関係ではないと思われる。
さて、本筋に戻ると、スタッフがヴォイジャーよりさらに未来を舞台にした新作を考えても、半端な内容ではファンにダメ出しされてボロクソいわれるのは目に見えている。自信満々で提示した新作が、「この問題はTNGの○○話のテクノロジーで簡単に解決できる」とか「クリンゴンの描写がDS9の○○話と矛盾する」とかファンに批判されて炎上するのはご免被りたいと普通なら思うだろう。
加えて、そうしたうるさがたのファンを満足させる内容が一般受けするかどうか、というのも問題だ。日本の時代劇などでも時折あるが、マニアが絶賛しても、普通の人々にはつまらない作品になってしまったら本末転倒この上ない。もっとも、スタートレックそのものが日本ではそういうマニア向け作品になっているような気もするが……。
ヴォイジャー、エンタープライズ、ディスカバリーでは過去作を踏まえた「本歌取り」的要素のあるエピソードが時折作られるが、初めて見る人には楽しめないんじゃないかと心配になることがある。
こういった諸々をふまえると、すべてが単純だった過去の時代に戻る、あるいはリセットして新しい世界を舞台にする、というのはスタートレック新作の作り手にとっては当然の選択であることがなんとなく理解できるだろう。
「クリンゴンとはオルガニア条約を結んで、キトマーで和平に合意して同盟も結んだけど、一旦条約を破棄して、再締結しています」なんて設定が積み上っている状態よりも、単純に「100年前にファーストコンタクトしてから冷戦状態です」ぐらいしか設定がないほうが、脚本も書きやすいに決まっている。
なので、ヴォイジャーのもっと未来が見たい、という人は素直に小説を読むかスタートレック:オンラインをプレイしたほうが良いと思われ。
スタートレック:ディスカバリー第2シーズン製作情報まとめ
第1シーズンがとんでもないところで終わったスタートレック:ディスカバリー。続きの製作はどうなっているか、発表された情報をまとめておく。
・脚本はすでに執筆中
ディスカバリーの製作チームは、2018年の正月から第2シーズンの脚本に取りかかっている。また、第2シーズンの脚本には『プリズン・ブレイク』のヴォーン・ウィルモットが新たに加わる。
・撮影は4月か5月からスタート
製作総指揮のアレックス・カーツマンはバラエティのインタビューで2018年4月から撮影をはじめる予定だと認めている。
一方、タイラー/ヴォク役のシャザド・ラティフは第2シーズンの撮影が5月にはじまると語っている。スケジュールが変更されたのか、あるいはラティフは第2シーズンの第1話には登場しないため、呼ばれるのが遅いのかは不明(君の出番は4話目だからほかのひとより1カ月後だよ的な)。
・エピソードの数は13本
アーロン・ハーバーツは先日開かれたコンベンションで、第2シーズンが全13話になると発表した。第1シーズンも元々は13話の予定だったので、ディスカバリーは基本1シーズン13話のシリーズと考えてよいかと。
・配信時期は未定
昨年おこなわれたハリウッド・リポーターのインタビューでカーツマンは、第2シーズンの配信は2019年初頭が理想的と語っていた。しかし現時点で第2シーズンの配信時期はTBA(後日発表)のままだ。
しかし4月から撮影開始となると、順調にいけば今年の9月か10月には1話目が完成する(撮影は2週間程度で終わるが、CGやら編集に時間がかかる)。なので、もしかすると今年の10〜11月ぐらいに第2シーズンがはじまってもおかしくはないかもしれない。
アメリカでディスカバリーを配信するCBS All Accessは第1シーズンの放送中、新規加入者の数が過去最高を記録した。しかし第2シーズンが遅くなればなるほど、ディスカバリーを見るために加入した人は逃げていってしまうだろうから、早く完成させろという圧力は高いと思われ。
スタートレック Mission Crate 第1回到着!
「Star Trek Mission Crate」はスタートレックグッズを定期的に購入できるLoot Crate社とQMx社のサービスだ。1回当たり49.99ドル(+送料)でスタートレックグッズを詰め合わせたボックスが2ヶ月毎に届くというもの。
昨年、今は亡き某サイト(STARTREK.ne.jp)で紹介されて気になっていたが、第1回の締め切り間際に申し込んでみた。なお、本来の予定では昨年の12月までに第1回が届くはずだったんだが、グッズ生産の遅れにより今年2月の発送となっている(まーQMx社は結構アレなので……)
んで発送しましたメールから2週間以上たってようやく日本の僻地にも到着したが、箱がもの凄いインパクト。宇宙大作戦に登場したシャトル・ガリレオ型の段ボール箱。これだけでアイデア賞ものというか、内側もプリントがあったりして、結構お金かかっている感がある。
なお、この箱に直接、宛名ラベルが貼り付けられて送られてくるため、破損していると泣けるし、そのまま届いても人によっては恥ずかしいかもしれない。
内容についてはほかのサイトでも紹介しているところがちらほらあるようなので割愛しようかと思ったけど、せっかく写真撮ったのでコメントしとこう。
第1回のテーマは「ウルフ359」だ。「新スタートレック」の名作「浮遊機械都市ボーグ」で描かれたエンタープライズとボーグが対決する前後編である。ってこの時点で宇宙大作戦のシャトルの段ボール箱とテーマが一致してないじゃんと思ったりもするが、箱は毎回共通かもしれないしね。
内容の一覧を記した紙が「新スタートレック」に登場したPADD風になっているのは素敵。
スタートレック:ディスカバリーの指揮部門のバッジは大量生産するとこんなもんかな的な感じで(正直アクセサリー系はよく分からん)。おそらく撮影で使ったプロップとまったく同じ形状だと思われる。
ロキュータスのフィギュアは小サイズでボディとかは非常にあっさりしているが、顔の造形はかなりパトリック・スチュワートっぽい。「人形は顔が命」というが、頭部に労力を全フリした感じは悪くない。お値段考えるといい仕事してますね、と誉めたい気分だ(単品で25ドルほどで販売されるそうな)。
Locutus of Borg Mini Master Figureqmxonline.com
U.S.S.エンタープライズNCC-1701-Dはネットの評判あまりよろしくない(某所ではデアゴスティーニと比べた場合、デアゴのほうを勧める、とか書かれていた)が、スケールと価格を考慮すると自分的にはアリだと思う。
だいたいQMxの大型レプリカモデルって100万円コースじゃん。そんなのと比較して出来が悪いとかいう奴は何なの? アホなの? と思わんでもないし。確かにクリアパーツも使っていないし、表面の窓やらを彫刻で表現せずに印刷で済ませるのは手抜き感があるかもしれない。
でも小スケールの模型の表現を本気で考えると、たとえば1/2000の模型で1ミリの溝があると、実物には2メートルの溝が存在することになってしまう。そう考えると巨大な船のディテールを彫刻ではなく印刷で再現するのは、手抜きではなくスケールに見合った表現として逆に正解に近いのでは? と思ったりもするのよ。
ボーグTシャツはボーグっぽい模様とエンタープライズDの輪郭がプリントされている。実際に着るかどうかはさておき、悪くないデザイン。
ステッカーはまあ員数合わせ的な感じでひとつ、といったところ。なおスタートレックオンラインのゲーム内コードはプレイしていないため割愛させていただく。
総評としては50ドル分の価値は十分あり、福袋とか闇鍋とか好きな人なら結構楽しめると思う。逆に〇〇なら欲しいけど、××はいらない、みたいに好みがはっきりしている人にはオススメできない。
スタートレックの「正史」って?
「〇〇」はスタートレックの正史かどうか、みたいな議論をネットで見かけるけど、意外と意味を分からずに使っている人も多そうなので整理しておく。
「正史」は英語では「Canon」と呼ばれるが、元は聖書の「正典」、つまり教会が正式に認めた文書を指す言葉だ。スタートレックの場合、著作権者がスタートレックシリーズの一部だと認めた「公式作品」といった意味合いになる。要するに「正史」とはパラマウント、あるいはCBSが制作した映像作品、つまりスタートレックのTVシリーズと映画シリーズを指す。
原作者ジーン・ロッデンベリーが生きていたころは、彼が正史かどうかを判断していた。そのため、彼が出来栄えに不満を抱いた「まんが宇宙大作戦」や映画など一部の作品を正史に含めないとコメントしたこともあった(ロッデンベリーは評価の高い映画スタートレック2も軍事色が強過ぎると批判していた。もしDS9の後半を見たらブチ切れそうな気がする)。
しかし彼の死後はおおむね、正史=著作権者が作るTVシリーズと映画、という解釈で一貫しており、かつては正史に含まれなかったまんが版も含むようになった。一方、「Star Trek: New Voyages」や「Star Trek: Continues」のようなファンの自主制作映画はたとえ映像作品でも「正史」には含まれないし、「Axanar」のように調子に乗り過ぎると裁判沙汰になる。
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本題から脱線すると、国を問わずクリエーターは基本的に同人活動に甘い。なぜなら、創作をおこなう人も最初からオリジナルの作品をゼロから作れるとは限らない。アマチュア時代、好きな作品の二次創作から創作活動をはじめて、やがてプロの作家になる人もたくさんいる。
だから、本来は違法なんだけれど、ファンの活動だから大目に見よう、というのが大半の作者のスタンスだ(スタートレックネットワークジャーナルによると、ロッデンベリーはファンの同人誌を買い込んで、資料として番組スタッフに配っていた)。
しかし大目に見るにしても限度がある。原作を冒涜するような内容だったり、金儲けに走り過ぎると、イエローカードやレッドカードが出るのは当たり前だ。脱線終了。
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ややこしいのが、著作権者の許可をとって作られる、小説とかコミックとかの関連商品だ。これらはパラマウントなりCBSから商品化の許諾を得ているため、正史と思い込んでいるファンもいるが、「基本的に」正史には含まれない。
下品な例えをすると、おもちゃメーカーがスタートレック〇〇周年記念で金メッキをしたカーク船長のフィギュアを作るとする。当然、売るときにはパラ山なりCBSの許可をとる。でも許可をとったからといって、金色のカーク船長はスタートレックの世界で実在する、これは公式設定だ、という扱いにはならない。
乱暴にいえば、小説やコミックの扱いもそれと一緒。小説家や漫画家が新しい話や設定を作っても、正史にはならないのだ。ただし、TVや映画の脚本家がそうした小説を読んで気に入り、それを参考にして脚本を書くこともある(スターシップコレクションのクリンゴン関連の記事にそういう話があったような)。
なお、「基本的に」正史には含まれないと書いたのは例外があるからで、いくつかの条件を満たしたものは「半ば公式」つまり正史に準じる資料として扱われている。この条件としては
・ベースとなる映像作品と同時期に刊行されている
・映像作品の制作スタッフが執筆、監修している
などをすべて満たしている必要がある。
具体的には番組スタッフのオクダ夫妻が執筆し、日本語版も出版された「スタートレックエンサイクロペディア」、ジーン・ロッデンベリーが執筆した映画第1作のノベライズ「宇宙大作戦−スタートレック」、スタートレックシリーズのプロデューサー、ジェリ・テイラーが執筆したジェインウェイ艦長の生い立ちを描く小説「Mosaic」などが挙げられる。
スター・トレック―宇宙大作戦 (ハヤカワ文庫 SF 463)
- 作者: ジーン・ロッデンベリイ,冬川亘
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1982/02
- メディア: 文庫
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また、ディスカバリーの小説やコミックもこれらの条件を満たすため、正史に準じる扱いになるだろう。